『くだもの』
平山和子さんのこの絵本、果物が次から次へと出てきます。
「すいか」 「さあどうぞ」 「みかん」 「さあどうぞ」 「りんご」 「さあどうぞ」・・・
「ものの名前」教える絵本だと思われてしまいがちですが、それは違います。
伝えたいのは母親の愛情です。
「さあどうぞ」と差し出されるとき、果物は、もう、あとは口を開けるだけ、きれいに洗われ、ちょうどよい
大きさに切られ、ときにはフォークにさされて差し出されているのです。
だから子どもたちは思わず口を出して「あーん」と受け取るのです。
<独り言>
入社してまだ間もない頃、オーナーからこの話を聞いた時、
本当に食べる真似をするの?と子育ての経験のない私は半信半疑でした。
実際にその光景を目の当たりにするまでは…
当時1歳半のNちゃんはこの『くだもの』が大のお気に入りでした。
お店の絵本棚から『くだもの』を見つけたNちゃんはお母さんに読んでとおねだり。
お母さんの読み聞かせが始まり、「さあどうぞ」と差し出されると…
まるで目の前に本物の果物があるかのように美味しそうに食べ始めたのです!
びっくりしたのと同時に、とても感動したのを今でも鮮明に覚えています。
[P125–2行まで] by K.I