一緒に絵本の研究をしていた園の乳児クラスでの実験にて…
「くだもの」の絵本を読んでもらった子どもたちは、誰ひとり、この絵本で果物の種類を教わらなかったにもかかわらず
小学校に上がるときに、梨・柿・リンゴの区別をつけられない子どもはいなかったのです。
数十人ではなく、数千人の子どもたちです。
これは、子どもたちが知識を身につけるのは、絵本からではなく、生活からだということを示しているのです。
絵本で教え始めると、子どもたちは大人の顔色をみるようになります。
どうしたら、この大人は機嫌がいいんだろう、と。
ここで「リンゴ」といえば、この人の目は輝くんだ、という浅い浅い理由で
まるでよくわかっているかのように振る舞っているのだとしたらどうでしょう。
絵本で教えることは、子どもの意欲を損ねます。
子どもは本来、知識に対しての欲求をもっているのです。
自分で見つけること、気づくこと、知ること、わかること。
ですから、大人が先取りするのではなく自分で体験することが
子どものときはささやかな発見でも、そのささやかな発見で自信をもった子どもたちは
大きな発見や発明への意欲を開花させるのです。
<独り言>
絵本を読み聞かせする時
ついつい「ここは○○だよ~」とか「○○がいるね~」と言ってしまったり
子どもが間違えていたら指摘して直そうとしてしまいがちだと思います。
でも、絵本は知識を付けるためのツールではない
絵本を使って教えようとしてはいけないことの意味がよく分かりました。
書いてあることを書いてある通りに読む…
たったそれだけのことですが、とても深いなぁ~と感じました。
是非、頑張って実践してみて下さい。
私も将来、子どもに読み聞かせをする時は、このルールをしっかり守りたいと思います。
[P127–14行まで] by A.A