中世ドイツの城主の「子育ての悩み」から始まったドールハウス遊び

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Posted by 藤田篤 | Posted in 一押し♪おもちゃ | Posted on 09-10-2022

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オーナーむっちパパ藤田です

 

2013年の秋、私は来日していたセレクタ社2代目社長マティアス・メンツェルさんを大阪に訪ねていました。ドールハウスのルーツについて、話してくれる、というのです。

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ドールハウス遊びは、中世ドイツ・城主の悩みから生まれた遊びなんだよ、と切り出しました。「お姫様教育」は城主にとって大切なテーマ。お姫様は、将来女王様にならなければなりません。女王様はお仕事を一切してはいけませんが、同時に「女将さん」として城内の家来の管理をしなければいけない。

 

 

つまり城内の一人ひとりがどんな仕事をしているのか?を分かっていなければいけないのです。こんな「自分は働いてはいけないのに、働く人を管理できないといけない」という矛盾に悩み抜いた時、マイスターたちに城内の部屋のミニチュアを作らせ、献上させることを思いついたのです。家具、ガラス食器、調理道具・・・次々に献上され、部屋、人形が作られて、お姫様のドールハウス遊びが始まったのです。

ドイツのドールハウス

 

 

その様子にあこがれたのが、城内に出入りしていた豪商たちでした。お姫様がお城のミニチュアで遊ぶ様子を垣間見て、愛しいわが娘のためにドールハウスを揃えたのです。それが少しずつ庶民の遊びに広がっていったのです。

ドイツのドールハウス

 

家具は家具職人が作り、調理道具はそれぞれ専門のマイスターが作る、という仕組みで作り手がバラバラだったのにも関わらず、どうして遊びが成立したのか?そこに「基尺=スケール」という統一がありました。城主に献上される際、スケールが統一され、作り手は違っても、子どものために同じ大きさで作る、という文化が根付いたのです。日本やアメリカなどのおもちゃメーカーが、それぞれ独自性を打ち出そうというのとは真逆の発想ですね。

 

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木製のドールハウスは子どもたちの手仕事の作品がなじみます。織り機でラグマットを作ったり針仕事でお布団やまくらを作ったり、カードにお絵描きをして、壁掛けの絵にする、というように、自分の世界が広げられるのは、ナチュラルな質感ならでは。そしてリビングの中心に置きたい美しさ。子どもたちが見事に家庭をドールハウスで再現する姿は、将来の家庭の姿をほうふつとさせ、夢が膨らむ時間になるのです。

⇒カルテットのドールハウス特集

ドイツのドールハウス